ショパン舟歌、幻想曲、子守歌、その他小曲解説動画付き-傑作が満載 | ショパンを弾くには?曲の難易度、曲目解説、ピアノの弾き方を解説



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ショパン舟歌、幻想曲、子守歌、その他小曲解説動画付き-傑作が満載

ショパン舟歌、幻想曲、子守歌、その他小曲解説動画付き-傑作が満載
ショパンの作品には曲集単位の曲以外に単独の小曲集があります。

中でも重要視されている曲が、舟歌、幻想曲、子守歌の3曲です。

ショパンコンクールでも頻繁に演奏されていますし、一般のコンサートでも、CD録音にも 取り上げられる傑作でいずれもショパンが円熟期の作品ということもあり、人によっては最高傑作として 高い評価を下す人もいるほどの名作として知られています。

この3曲以外にもほとんど知られていない名曲も多数存在し、ショパンを知る上では是非知っておいてほしい 曲ばかりです。

ここではラルゴ「神よ、ポーランドをお守りください」、コントルダンス、春、カンタービレ、タランテラ、ボレロ、3つのエコセーズ 、演奏会用アレグロ、葬送行進曲、モデラート(アルバムの綴り)、 2つのブーレー、フーガ、ヘクサメロン変奏曲、ドイツ民謡「スイスの少年」の主題による変奏曲、パガニーニの思い出、四手のための変奏曲、ドンジョヴァンニの「お手をどうぞ」の主題による変奏曲を解説します。

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ショパン舟歌、幻想曲、子守歌、その他小曲の解説

舟歌OP.60


ショパンの晩年の作品でゴンドラを連想させるかのような左手の伴奏を ベースとして、美しい右手の主旋律が演奏されます。

舟歌というタイトルは、メンデルスゾーンの無言歌集の中にも存在し、 この無言歌集がショパンの舟歌の作曲に大きな影響をあたえている ことは間違いありません。

全体的に静寂感が漂っていて、エネルギーの減退すら感じ取れます。

演奏技術面については、3度や6度という難技巧が要求されるため、初心者には非常に厳しい内容と なっています。

曲終盤で主題が再現する部分がありますが、左手がオクターブの奏法になっているため 難易度が上昇します。

この曲をショパンの最高傑作であると評価する人は非常に多いです。

ショパンマニアは是非とも舟歌が演奏できるようになるまで練習を継続して みてください。

幻想曲 OP.49


ショパンの円熟期の作品で、同時期にはポロネーズOP.44、プレリュードOP.45などの 傑作といわれる曲が作曲されています。

葬送行進曲風の重苦しい出だしで曲がスタートします。

3連符のパッセージとフェルマータの指示が何度か繰り返された後、 テンポをアップさせつつ、別の主題に突入します。

そして間奏曲風のゆったりとした主題が開始され、再び 荒々しく3連符のパッセージで高音部に上り詰めて、 最後は中間部の断片を回想するかの如く曲が終了します。

この曲は、やや繰り返しが多いという感じがしますが、 最高傑作のうちのひとつとして数えられています。

子守歌 OP.57


もともと変奏曲というタイトルで出版される予定だったようですが、 途中で子守歌とタイトルを修正して出版されたようです。

主旋律が15回ほど変奏を繰り返す単純な形式になっていますが、 その演奏技法は非常に多彩であり、聴くものを魅了してやみません。

様々なタイプのエチュードが組み合わさって子守歌一曲に集約されている 感じがします。

ですのでエチュードで事前に技巧を習得しておかないと、 なかなかこの曲を演奏するのは厳しいかもしれません。

あまり知られていない曲かもしれませんが、隠れた名作で あることは間違いありません。

ラルゴ「神よ、ポーランドをお守りください」


過去に自筆楽が復刻されたことがあったそうですが、 現在は喪失してしまったそうです。

ショパンのプレリュードの20番 OP.28-20を連想させるような 荘重なコラール風の音楽です。

この曲はあまり知られていませんでしたが、 2021年ショパンコンクールで2位を獲得した反田恭平が演奏し、一躍有名になりました。

コントルダンス


コントルダンスとはイギリスで起こった舞曲で、18世紀に ヨーロッパで流行しました。

軽やかで、若々しさが溢れる軽音楽という感じで 宮廷や舞踏会や結婚式など様々な場で人気を博していました。

春 OP.74-2


ステファンヴィチヴィツキの詩による春というタイトルの 歌曲を編曲して作られた曲です。

春というタイトルがついていますが、春の到来を待ち焦がれるような 喜びに満ち溢れた曲ではなく、素朴で悲しげな旋律です。

カンタービレ


1834年に作曲されたわずか14小節というたいへん短い曲です。

短いながらもショパンの円熟した作曲技法が見られます。

プレリュードというタイトルがむしろ相応しいかもしれません。

タランテラOP.43


タランテラとはイタリアのナポリ地方で生まれた舞曲です。

この曲を作曲するにあたって、ロッシーニの歌曲を参考にした といわれています。

オクターブの序奏とリズミカルなフレーズがこの曲の特徴です。

ボレロOP.19


ボレロとはスペインの民族舞踏のことで、同じタイトルを持つ曲で 有名なのはラベルのボレロです。

ボレロのリズムの特徴は、非常にポロネーズに類似しているということで ショパンはこのボレロを作曲に生かしました。

即興曲風の旋律と、ワルツ風の旋律がうまく融合していて リズミカルな一曲に仕上がっているのが特徴です。

3つのエコセーズOP.72-3,4,5


エコセーズとは、テンポの速い2拍子の舞曲のことです。

ショパンが16歳のときに作曲されたといわれています。

あまり知られていない曲ですが、明るい曲想であるので 演奏会で取り上げられても良いのではと個人的に思います。

演奏会用アレグロ OP.46


行進曲風の序奏が異様なほど長いというのが特徴的です。

格調高い主題と、ノクターン風の主題から構成され、コーダは オクターブ奏法によって幕を閉じます。

かなり演奏技巧の派手な曲で、演奏効果の高い曲となっています。

葬送行進曲 OP.72-2


ソナタの第2番OP35-3とは別に、単独で作曲された葬送行進曲です。

沈鬱な主題と清らかな中間部の旋律を聴くと、有名な葬送ソナタの先駆となった 曲なのかもしれないと思えてきます。

モデラート(アルバムの綴り)


1843年に作曲され、ショパンの死後に出版された 小規模なプレリュード風の曲です。

2つのブーレー



ブーレーとはフランスで生まれたテンポの早い舞曲のことです。

子供のためのピアノの練習曲という感じの曲です。

なぜこのような曲を出版したのか謎です。

フーガ KK.IVc/2


フーガというタイトルについてはバッハの作品が有名です。

このフーガは習作の領域であるが、ショパン独特の 叙情性が見られるプレリュード風の曲想です。

ちなみに弟子の教育のために書かれた作品という説もある。

ヘクサメロン変奏曲 第6変奏


ベルリーリの歌曲である清教徒の行進曲を主題としたテーマで リストを含めた有力なピアニストらと共同による変奏曲です。

ちなみにショパンは第6変奏を担当したといわれています。

左手の3連符の伴奏にのって、荘重な響きの旋律が右手で演奏されます。

ドイツ民謡「スイスの少年」の主題による変奏曲


カプリッチョ風の序奏で曲がスタートし、民謡の主題が始まります。

曲の終盤に行くにつれて変奏が派手になっていき、曲全体は躍動感に 溢れています。

パガニーニの思い出


有名なヴァイオリニストであるパガニーニがワルシャワを訪れたとき、 パガニーニ自身が自作の曲である「ヴェネツィアの謝肉祭の主題による 変奏曲 OP.10」を 演奏し、ショパンはこの演奏を聴いたことをきっかけに作曲された曲です。

四手のための変奏曲


変奏曲「パガニーニの思い出」と同様に、「ヴェネツィアの謝肉祭の主題による 変奏曲 OP.10」 の主題をベースとして編曲したものです。

ショパンの曲は独奏曲がほぼ全てを占めているのであるが、この曲は例外的に 連弾用つまり4手の作品となっています。

ドンジョヴァンニの「お手をどうぞ」の主題による変奏曲


別名「ラ・チ・ダレム変奏曲」とも言われている変奏曲で、 ショパンが17歳のときの作品です。

序奏と6つの変奏及びコーダから構成されています。

ちなみにシューマンはショパンの才能を絶賛したそうです。

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まとめ

以上がショパン舟歌、幻想曲、子守歌、その他小曲の解説でした。

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