ショパンエチュードCDお勧め聞き比べ12選-難曲の名演は圧倒的
ショパンエチュードCDお勧め聞き比べ12選です。
ここではポリーニ、ブーニン、アシュケナージ、横山幸雄、小山実稚恵、ペライア、リヒテル、ベレゾフスキー、アラウ、フランソワ、マガロフ、コルトーのCDを徹底比較してレビューします。
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ショパンエチュードCDお勧め聞き比べ12選
ポリーニ「ショパン:12の練習曲作品10/作品25」
ユニバーサルクラシックのレーベルの 「ショパン:12の練習曲作品10/作品25」です。ショパンコンクールを満場一致で優勝しているポリーニの録音の中でも 完璧なデキ具合でミスタッチゼロという恐ろしいほどの完璧な技巧と集中力に 研ぎ澄まされた演奏のひとつとして知られる超名盤です。
1972年1月と5月に ミュンヘンで録音した録音で、やや古い録音ですが、 音声の良さは抜群です。
ショパンコンクールの入賞者は大半全曲録音をしていますが、これと対抗できる 録音といえば、アシュケナージやブーニンくらいでしょうか。
一寸の狂いもない機械の自動演奏のような印象すら受けたのは事実で、 人間は、10本の指を駆使することによってここまで 感動的な音楽を奏でることが可能なのか驚嘆させられたのは私だけではないはずです。
ちなみにゴドフスキー編曲のショパンのエチュードがあるのですが、 アムランが全曲録音をリリースして世間の度肝を抜きました。
もしアムランがショパンエチュードの録音をすれば、ポリーニを超えるのではないか と密かに思っています。
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ブーニン「ショパン:24のエチュード集」
EMIミュージック・ジャパンからリリースされた 「ショパン:24のエチュード集」です。ショパンコンクール第11回で圧倒的な成績で優勝したブーニンですが、 コンクール当時の内容がNHKで放映されていました。
このころはアクロバティックな演奏で、やりすぎなのではと思えるような 派手さが目立ちましたが、 今回の録音はブーニンが円熟期に入ってからの録音ということもあり 従来のようなアクロバティックな演奏ではなく、むしろ随分と大人しくなった という印象です。
とくに音質の美しさやアゴ-ギグの聞かせ方は天下一品で ポリーニですら敵わないのではないかというレベルです。
最も気に入った演奏はOP.10-10で 鳥肌が立つほどの美しい名演奏で驚嘆させられました。
一方OP.10-12の革命については、コンクール当時の荒々しく凄惨な演奏の方が良かったように 思います。
この録音の革命はかなりテンポが遅く、あまり凄みを感じる演奏ではありませんでした。
どうやら荒々しい曲は昔の頃の演奏の方が良く、ゆったりとした曲に関しては 円熟期に入ってからの演奏の方が良いという印象です。
もしかしたら一歩一歩ブーニン独自の演奏スタイルを確立し、巨匠への道に 近づいている証拠なのかもしれません。
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アシュケナージ「ショパン練習曲集(全27曲)」
ユニバーサルクラシックからリリースされた「ショパン練習曲集(全27曲)」です。ショパンの曲の中でも最高の難易度を誇るエチュードですが、単に指の訓練という目的だけに留まらず 、芸術的な側面でも一級の芸術作品と呼ぶに相応しい作品です。
アシュケナージの完璧無比でかつ安定したテクニックを駆使したエチュード集は 大変評価が高く、 とても美しく磨き抜かれたショパンエチュードのピアノ演奏に酔いしれていました。
ちなみにポリーニ版とよく比較されるようですが、 ポリーニの演奏はやや音質が硬くスピードが若干早いという印象を受けるのに対して、 アシュケナージの演奏はまろやかという表現が相応しいかもしれません。
またアシュケナージのCDには3つの新練習曲が収録されているのも見逃せません。
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横山幸雄「別れの曲 ~ショパン : エチュード全集」
ソニー・ミュージックレコーズからリリースされた 「別れの曲 ~ショパン : エチュード全集」です。ショパンコンクールでは3位に輝き、日本人で始めての男性入賞者となった横山幸雄 ですが、その実力はこのショパンエチュードでも十分に発揮されており、 一音一音が洗練されていてとてもキレイな演奏スタイルであると関心しました。
演奏のテンポについてはポリーニに近いかもしれません。
ちなみに横山幸雄さんは結構太っている人だと思っていたのですが このCDのジャケットの写真はピアノの前に腕を組んでスラっと直立している姿がとても良いです。
一度ジャケットを見てみてください。
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小山実稚恵「ショパン:練習曲集」
ソニー・ミュージックレコーズからリリースされている小山実稚恵の「ショパン:練習曲集」の です。小山実稚恵さんはショパンコンクール第11回で4位に輝いているだけでなく、チャイコフスキー コンクールでは3位に輝いており、 老舗コンクールを両方とも上位にランクインをしている 実力派ピアニストです。
この録音を聴いてみて思ったことは、音がきれいで、とてもバランスが取れていて 全体としてスピードは早めで流暢な演奏を披露してくれています。
ちなみにCDのジャケットを見た方をお分かりと思いますが、頭の上から なんだかよくわからない植物のようなものを生やしているのがウケました。
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ペライア「ショパン:練習曲作品10&作品25」
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルからリリースされた マレイ・ペライアの「ショパン:練習曲作品10&作品25」です。ペライアの奏でるピアノの音は大変美しく、人間味のあるとても暖かい感じの 演奏をするピアニストであると思ったのが正直な感想です。
技術面を誇示するような演奏ではなく練習曲であることを忘れさせてくれるような演奏です。
最もお気に入りになった曲はOP.25-1のエオリアンハープで、 この演奏は音の詩であるといっても過言ではない美しさです。
またOP.10-3の別れの曲もかなりの名演奏だと思います。
ペライアは、技巧の派手な曲より、むしろ緩やかな曲のほうに 本領を発揮するピアニストなのかもしれないですね。
ハラハラドキドキを感じたいというよりむしろ癒されたいと思う方は 是非ともマレイ・ペライアの録音をおススメします。
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リヒテル「ショパン:エチュード集」
マーキュリー・ミュージックエンタテインメントからリリースした リヒテルの「ショパン:エチュード集」です。ロシアの巨匠と呼ばれたリヒテルのショパンエチュードですが、 練習曲の域を超えた芸術性を感じさせられずにはいられない名演奏です。
ただ、かなり年配になった頃の録音であるためか、 若き日のリヒテルの演奏技術の冴えは、若干衰えているように感じられました。
もう一点残念であるのが全曲録音ではない点です。
リヒテルはホロビッツ同様、全曲録音を好まず、むしろ自分のお気に入りの曲を 抜粋してライブ演奏を好むというタイプのピアニストであったことが理由かも しれません。
ただ現在においてもリヒテルの熱狂的なファンというのは確実に存在しますので 決して聞き捨てなら無い演奏であることは間違いないでしょう。
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ベレゾフスキー「ショパン:練習曲集」
ワーナーミュージック・ジャパンからリリースされている ボリスベレゾフスキーの「ショパン:練習曲集」です。ボリスベレゾフスキーはチャイコフスキーコンクールの優勝者であり、 ショパン以外にはロシア系の音楽の録音がたくさん残っていて、 難曲をアッサリと弾ききってしまう凄さがあります。
ちなみにこのショパンエチュードですが、予想に反してスピードは緩めです。
リストの超絶技巧練習曲を録音しているが、これがかなりハイテンポで 技巧バリバリの演奏だったので、ショパンエチュードもそうなのかと 思っていましたが、あまり技巧を誇示していない印象です。
ポリーニ版が完璧な技巧で圧倒させる演奏であるとしたら、 ボリスベレゾフスキーの演奏は親しみを感じる演奏だといえます。
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アラウ「ショパン:練習曲作品10&作品25」
EMIミュージック・ジャパンからリリースされているクラウディオ・アラウの 「ショパン:練習曲作品10&作品25」です。クラウディオ・アラウはドイツピアノ音楽の伝統を受け継いでいるため ドイツ音楽に関して大変広いレパートリーを持っているのは事実ですが、 ショパンも得意としており、 ショパンの主要な作品をほぼ全曲録音していることは忘れてはなりません。
クラウディオ・アラウの演奏の特徴は温かみのある演奏で玄人好みの演奏をする点です。
切れ味に関してはポリーニやアシュケナージの方が上かもしれませんが、十分聞き応えのある 演奏を披露してくれます。
ただ残念なのは、録音年度が古いのが原因なのか、録音の質がイマイチである 点です。
ちなみにポリーニ版に収録されていない3つの新練習曲が収録されているのは ウレシイ事です。
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フランソワ「ショパン:27の練習曲」
EMIミュージック・ジャパンからリリースされているサンソンフランソワの 録音した「ショパン:27の練習曲」です。ショパンエチュードの演奏となると、技術面の完璧さやスピード感を競いがちに なる傾向にあり、 とくにポリーニのショパンエチュードを聴くとよくわかると 思います。
確かに完璧であり万人のお手本となりうる完璧な演奏で他を圧倒している 感があるのは事実ですが、 サンソンフランソワのショパンエチュードは一味違うのです。
完全に自分独自の演奏スタイルを貫いており、悪い言い方をすると酔っ払いが ピアノを演奏しているみたいなユニークさが魅力的です。
サンソンフランソワのショパンエチュードが、いかに芸術作品として完成されたものかを思い知る ことでしょう。
あまりにも完璧すぎるショパンエチュードに飽き飽きしているという方は 是非ともサンソンフランソワのユニーク演奏を聴いてみてほしいと思います。
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マガロフ「ショパン:エチュード」
マーキュリー・ミュージックエンタテインメントからリリースされた ニキタ・マガロフの「ショパン:エチュード」です。ショパンのエチュードの録音は、大半のピアニストは技巧の冴えた 若い頃に録音する傾向にありますが、 この録音はニキタ・マガロフが60代になってからの録音であることを 知り驚かされました。
ニキタ・マガロフ自身はショパンコンクールで審査員を努めるほどの ショパンの良き解釈者として知られていますが、とても美しい音の流れが 見事で、十分巨匠の名に相応しい演奏だと思います。
ちなみにショパンのエチュード以外にも、ほぼショパンの重要な曲は 録音していますので、他の曲についても是非聴いてみて欲しいと思います。
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コルトー「ショパン:練習曲全集」
EMIミュージック・ジャパンからリリースされているコルトーの 「ショパン:練習曲全集」です。ショパンとシューマンを愛しつづけたコルトーの歴史的な録音です。
1930年代なので録音の質が悪いことと、ミスタッチが 多い点が残念で仕方ないと思いました。
しかし重要な部分はそんな部分ではなく むしろ音楽性です。
ポリーニやアシュケナージに比べると、とても技術面では勝ち目はありませんけれど 音楽的な暖かさが感じられます。
但しホロビッツにも同様のことが言えるのですが、 コルトー独特のクセが許容できない人は、この録音は あまりお勧めできません。
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まとめ
以上がショパンエチュードCDお勧め聞き比べ12選でした。
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