ショパンピアノ協奏曲全曲解説動画付き-オーケストラとの共演が見所
ピアノ協奏曲とは、ピアノをメインとして複数の独奏楽器で演奏される 多楽章からなる楽曲のことで 別名コンチェルトとも言われています。
特にバロック期には重要視されていて、チェンバロのための協奏曲が 多数作曲されています。
ショパンだけでなく、ベートーベン、シューマン、リスト、ブラームス、 スクリャービン、ラフマニノフ、プロコフィエフなど優れた作曲家も ピアノ協奏曲を作曲して世界中の演奏会やコンクールで演奏されています。
特にショパンのピアノ協奏曲は、ワルシャワ時代に作曲されたもので 音楽性と技術面の集大成と呼べる大作に仕上がっており聴き応えは抜群です。
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Contents
ショパンピアノ協奏曲第1番
こちらの動画で全楽章をまとめて視聴できます。
ショパンピアノ協奏曲第1番第1楽章 OP.11-1
ショパンピアノ協奏曲第1番は、音楽的にも技術的にも大変充実していて、 ショパンの最初期の最高傑作と呼ばれるに相応しい名作です。ピアノパートも難易度も高いですが、オーケストラを共同作業により 音楽を創り上げていくという難しさもあります。
やはりショパンの曲であるということで注目すべきはピアノパートです。
オーケストラによる長い序奏により曲がスタートし、 長い序奏がようやく終わるとこの曲の主題である独奏ピアノが登場します。
このヒステリックで哀愁を帯びた物悲しい旋律がとても感動的です。
もっとも心に深く刻み込まれる旋律です。
その後は、また別の主題が演奏され、曲終盤に行くにつれて難易度の高い 華麗な技巧が要求されるパッセージが登場します。
とくに難しいのは4度の連続の箇所ではないでしょうか? ショパンでは3度、6度で演奏するパッセージが頻繁に出現しますが、これを 徹底的にマスターするにあたって3度、6度のエチュードを練習するのが 効果的であるのは確かです。
しかし4度となると、また3度、6度と違った難しさがあります。
このパッセージをいかにして乗り切るかというのが大きな課題となりそうです。
主題の再現部は平行調のト長調で演奏され、コーダに突入してからは クライマックスとなり、1楽章が終了します。
ショパンピアノ協奏曲第1番第2楽章 OP.11-2
オーケストラによる弦楽合奏による12小節間の導入の後に 静かにピアノパートが出現します。大変美しいノクターン風のパッセージの主題が演奏されます。
恋人コンスタンツィア・グワドコフスカへの思うも込められているかのような 印象を受けます。
ちなみにミリイバラキレフがこの第2楽章をピアノの独奏曲に編曲している 楽譜が楽器店で販売されていますので、どうしてもこのメロディーを 自分自身の手で演奏したいという人は、ぜひとも楽譜を入手して チャレンジしてみてください。
ショパンピアノ協奏曲第1番第3楽章 OP.11-3
1楽章2楽章とは趣がだいぶ変わり、とても快活で元気一杯の クラコヴィアクをベースとしたロンドがスタートします。かなり高速でび演奏が必要なパッセージが頻繁にでてくるため、 相当練習を積んだ人でなければムラなく綺麗に仕上げるのは 困難でしょう。
ここが最大の腕の見せ所ですので、ぜひとも乗り切ってください。
ショパンピアノ協奏曲第2番第-全楽章動画
こちらの動画で全楽章をまとめて視聴できます。
ショパンピアノ協奏曲第2番第1楽章 OP.21-1
ショパンピアノ協奏曲第2番は、ショパンが、ピアニストとして名を挙げるために 作曲した初の協奏曲と言われています。実はショパンピアノ協奏曲第1番より早い時期に作曲されています。
ワルシャワでショパン自身がピアノ独奏により初演されていて、 大変ピアノスティックな作品に仕上がっています。
曲の構成は協奏風ソナタ形式です。
ショパンピアノ協奏曲第1番同様、オーケストラの序奏でスタートします。
序奏が終わるとドラマティックで情熱的なピアノパートが出現します。
技術面ではやはり上級者でないとなかなか難しいという箇所が 頻出していますので、しっかりと土台を積んでから取り組みましょう。
ショパンピアノ協奏曲第2番第2楽章 OP.21-2
大半がピアノだけで演奏される、とてもロマンティックな楽章です。傷つきやすい青年ショパンの魂が反映されているようで、 最後まで聴きとおすのが辛いくらいです。
涙無しに聴きとおせない感動的な楽章です。
ちなみにショパンピアノ協奏曲第1番の2楽章同様、ピアノ独奏曲の楽譜が 出版されています。
アメリカの巨匠といわれた今は亡きアールワイルドが独奏用に編曲をして 世に残してくれたのは大変うれしいことです。
1楽章や3楽章に比べるとやや演奏しやすいので、ぜひともチャレンジしてみて ください。
ショパンピアノ協奏曲第2番第3楽章 OP.21-3
ロンド形式の楽章で、ポーランドの民族音楽であるマズルカやクラコヴィアクといった リズムが駆使されています。どこかでこのメロディーを聴いたことがあると思った方もいるかもしれません。
実はノクターン第20番 遺作の「レント・コン・グラン・エスプレッシォーネ」の メロディーととても良く似ています。
じつは、この楽章が先に作曲され、これをノクターンで断片的に利用している からなのです。
コーダに入ってからは目まぐるしく技巧が派手になり、ピアノ演奏者の腕の 見せ所となります。
余談ですが、ショパンコンクール本線ではピアノ協奏曲の1番と 2番のどちらを選択する人が多いかご存知ですか? 大変驚いたのですが、過去の優勝者はほぼ全員1番を選択しているという データが出ています。
協奏曲第1番を選択しなければ優勝できないのではないか?という ジンクスすらあったようです。
しかしそのジンクスを見事ぶち壊してくれたのがダンタイソンです。
コンクールの歴史上、第10回のコンクールでダンタイソンだけがこの協奏曲第2番を 選択して優勝した唯一の人物です。
コンクールは一種の戦場ですので、目立ってなんぼという部分があります。
できるだけ派手で聴きごたえのある曲を選択したほうが有利に働くというのは まんざらデタラメではなさそうです。
私は個人的には2番の協奏曲のほうがお気に入りなので、 今後もショパンコンクールは継続して開催されると思いますが、 第2番での優勝者が出現してくれることを心より願っています。
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まとめ
以上がショパンピアノ協奏曲全曲解説でした。
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