ショパンプレリュード全曲解説動画付き-コンパクトにまとまった傑作
ショパンプレリュード24曲は、バッハの平均律を意識して作曲された と言われています。
全体的にどの曲も短い曲が多く、スケッチ的な特徴を持っていて、 コンパクトに良くまとまった曲集です。
24枚の風景画というタイトルがより相応しいと思える内容です。
なおプレリュードという形式では、ショパン以外では、ドビュッシー、ラフマニノフ、 スクリャービンなど他の作曲家にも継承されていきました。
プレリュードは単独で演奏されるケースは少なくまとまって演奏されることが 大半です。
ここではOP.28に関しては2015年ショパンコンクール優勝者のチョ・ソンジンの演奏動画を全曲掲載しておきますので 是非お楽しみください
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Contents
- 1 ショパンプレリュード全曲解説
- 1.1 ショパンプレリュード1番 OP.28-1
- 1.2 ショパンプレリュード2番 OP.28-2
- 1.3 ショパンプレリュード3番 OP.28-3
- 1.4 ショパンプレリュード4番 OP.28-4
- 1.5 ショパンプレリュード5番 OP.28-5
- 1.6 ショパンプレリュード6番 OP.28-6
- 1.7 ショパンプレリュード7番 OP.28-7
- 1.8 ショパンプレリュード8番 OP.28-8
- 1.9 ショパンプレリュード9番 OP.28-9
- 1.10 ショパンプレリュード10番 OP.28-10
- 1.11 ショパンプレリュード11番 OP.28-11
- 1.12 ショパンプレリュード12番 OP.28-12
- 1.13 ショパンプレリュード13番 OP.28-13
- 1.14 ショパンプレリュード14番 OP.28-14
- 1.15 ショパンプレリュード15番OP.28-15【雨だれ】
- 1.16 ショパンプレリュード16番 OP.28-16
- 1.17 ショパンプレリュード17番 OP.28-17
- 1.18 ショパンプレリュード18番 OP.28-18
- 1.19 ショパンプレリュード19番 OP.28-19
- 1.20 ショパンプレリュード20番 OP.28-20
- 1.21 ショパンプレリュード21番 OP.28-21
- 1.22 ショパンプレリュード22番 OP.28-22
- 1.23 ショパンプレリュード23番 OP.28-23
- 1.24 ショパンプレリュード24番 OP.28-24
- 1.25 プレリュードOP.45
- 1.26 プレリュード遺作
- 2 まとめ
ショパンプレリュード全曲解説
ショパンプレリュード1番 OP.28-1
バッハの前奏曲の影響を受けているのは事実で 曲の前半で主題が示された後、少しづつクライマックスに向かいながら 転調を繰り返し切迫していきます。
わずか30秒程度で終了する曲ですが、これから24曲にわたる壮大なドラマの 幕開けを予感させる曲となっています。。
ショパンプレリュード2番 OP.28-2
不気味で大変グロテスクな左手の伴奏にのって、とても醜く、痛ましく、絶望的な 旋律が流れてくる曲です。
コーダに入ると、一瞬だけ曲が途切れ、右手の旋律だけで曲が演奏され、 静かに終了します。
ショパンプレリュード3番 OP.28-3
「小川の流れ」というタイトルがふさわしい軽やかで優美な旋律な一曲です。
左手の演奏は結構厄介であり、プレリュードの中では演奏しにくい曲の部類に入ります。
ショパンプレリュード4番 OP.28-4
単純な曲の構成ですが、絶望的な感情を込めた旋律が2度繰り返される 宝石にたとえられても良い程の曲です。
ちなみにショパンの葬儀の時に演奏されたと言われています。
ショパンプレリュード5番 OP.28-5
細かい音符が全曲を駆け巡りつつ、転調させながら再び 主題が現れます。
単独で演奏されることはまず無いであろうと思われるほど あっという間に終了してしまうのが特徴的です。
ショパンプレリュード6番 OP.28-6
たいへん憂鬱な旋律であり、聴く者を絶望のどん底に叩き落す程の 効果をもたらす一曲で、4番と同様にショパンの葬儀で演奏されたといわれています。
ショパンプレリュード7番 OP.28-7
どこかで聴いたことのあると思った方もいらっしゃると思います。
太田胃酸のコマーシャルで流れていた曲がコレです。
マズルカ風の愛らしい旋律が2度登場して幸福感に包まれたまま 曲が終了します。
ショパンプレリュード8番 OP.28-8
右手のオクターブで演奏される主旋律の間を、32分音符で装飾されている 形式をとった荒々しい竜巻のような曲です。
エチュードOP.25-1のエオリアンハープの演奏スタイルに非常に類似していて、 プレリュードの中では難曲の部類に属します。
ショパンプレリュード9番 OP.28-9
内声部の3練符に乗って、主旋律が力強く演奏されます。
教会のような荘厳な響きを醸し出す一曲です。
ショパンプレリュード10番 OP.28-10
流星の如く、高音部から低音部に向かって駆け下りる楽曲が大変印象的です。
ショパンプレリュード11番 OP.28-11
軽快で優美で幸福感たっぷりの一曲。
幸福の余韻に浸っているのもつかの間で、すぐに12番に突入します。
ショパンプレリュード12番 OP.28-12
半音階による主題が繰り返され、中間部では転調をし、再度 主題に戻ってくるような曲の構成になっています。
プレリュードの中では難曲の部類に属します。
ショパンプレリュード13番 OP.28-13
緩やかな左手の伴奏にのって、穏やかな旋律が繰り返される ノクターン風の曲です。
短いコーダでは、中間部の断片を回想して幕を閉じます。
ショパンプレリュード14番 OP.28-14
ソナタ2番OP.35-4の曲想に非常に良く似ているのが特徴です。
両手のユニゾンの3連符で演奏され、不気味に墓石に降り注ぐ落ち葉のような 雰囲気を醸し出している傑作といえます。
ショパンプレリュード15番OP.28-15【雨だれ】
プレリュードの中で最も有名で「雨だれ」として親しまれています。
曲全体にわたって、「ソの#」の音が、執拗なほどに鳴り響き、 これを軒下に垂れる雨だれに例えたと言われている所以です。
プレリュードはまとめて24曲演奏される機会が多いですが、 唯一単独で演奏されるのはこの曲くらいなのではないでしょうか?
中級者でも十分手の届く範囲の難易度ですので、チャレンジしてみましょう。
ショパンプレリュード16番 OP.28-16
軍馬の如く猛烈なスピードで突進する快速の音楽です。
とくに主題の部分では右手の演奏が難しく、途中で左手がオクターブの 伴奏になって登場する部分がでてきて、更に難易度がアップします。
再度はユニゾンで高音部に突進していき、疾風の如く走り去ります。
プレリュードの中では最難曲で、これが演奏できればプレリュード全曲演奏は可能です。
ショパンプレリュード17番 OP.28-17
メンデルスゾーンの無言歌集を連想させる大変美しいプレリュードです。
まさに「祈り」というタイトルが相応しい一曲といえるでしょう。
ショパンプレリュード18番 OP.28-18
激しく、劇的なパッセ-ジが続き、感情の高まりがピークに達したかのような 短い楽章が続き、力強く曲が終了します。
ショパンプレリュード19番 OP.28-19
大変情緒的な曲です。
左右両手とも、広範囲にわたる演奏技術が要求されるため、 手が小さい人は苦戦することが予想されます。
プレリュードの中では難易度が高い曲です。
ショパンプレリュード20番 OP.28-20
有名な葬送ソナタのスケッチであるといっても過言ではない一曲です。
力強い主題が次第に静かなテーマに引き継がれ、最後は引きずったかのように 曲が終了します。
ちなみにラフマニノフは、この曲を題材としてショパンの主題による変奏曲を作曲しています。
ショパンプレリュード21番 OP.28-21
ノクターン風の情緒的な曲想のプレリュードです。
中間部では転調して美しい旋律が現れ、再び主題にもとり 静かに曲が終了します。
ショパンプレリュード22番 OP.28-22
左手のオクターブの激しい旋律が曲全体を支配しています。
この主題は2度目にさしかかると、オクターブアップして演奏され、 激しく曲が幕を閉じます。
ショパンプレリュード23番 OP.28-23
繊細で優美な旋律のプレリュードです。
終曲の24番が始まる前の、ひと時の安らぎを与えるために意図的に用意された 曲のように思えます。
ショパンプレリュード24番 OP.28-24
プレリュード全体を締めくくる、壮大でかつ激烈な音楽です。
エチュード12番 OP.10-12「革命」と同時期に作曲された曲であり、 ポーランド陥没の通報を知ったショパンの憤慨の念が込められいます。
エチュード12番が「革命」というタイトルが付されているのであれば、 プレリュード24番は「破滅」というタイトルが相応しいと思えてなりません。
ちなみに曲の中間部では一瞬だけ静けさが訪れるのですが、 その後の荒々しいコーダに向けて脱力できる唯一の箇所です。
この後は、右手はオクターブの演奏、3度の半音階、3オクターブの下降という 破滅的なクライマックスが訪れ、壮大なドラマが幕を閉じます。
ちなみに最後の音符「レ」を3回打鍵する部分がありますが、 ショパンコンクール10回の優勝者のダン・タイ・ソンは左手を鍵盤に乗せ、 右手で左腕を叩いて鍵盤を鳴らすという特殊な演奏法をしていて 審査員も聴衆も度肝を抜いたといわれています。
なお同じコンクールに出場していたポゴレリッチは、とてつもないスピードで この曲を演奏し、観客や審査員をゾッとさせてセンセーショナルを巻き起こしました。
プレリュードOP.45
1841年に作曲された、プレリュードです。
頻繁に転調を繰り返して、主題に戻るというショパンの天才ぶりが 伺えます。
ショパンの晩年の作品であるためか、転調を聴くと 昔の時代を思い起こし、ノスタルジックに浸っているところが 大変印象深いです。
ちなみに「プレリュード」よりもむしろ「瞑想」というタイトルが相応しい と個人的には思っています。
プレリュード遺作
20世紀に入ってから発見された曲といわれており、エチュード風の軽やかでピア二スティックな一曲です。
アンコールなどでサラッと演奏するにはピッタリかもしれませんね。
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まとめ
以上がショパンプレリュード全曲解説でした。
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