ショパンワルツ全曲解説動画付き-ショパン初心者向きの華やかな曲集
ショパンのワルツは1825年から1848年にかけて 作曲されていますが、自作原稿は残念ながら残っていません。
しかも実際に出版されているのは18曲といわれています。
技術面では優しい部類に入るため、ショパンの初心者の方が 取り組みやすい内容となっています。
躍動感や華やかさが人気の理由です。
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Contents
ショパンワルツ全曲解説
ワルツ第1番OP.18【華麗なる大円舞曲】
ショパンのワルツの中でも人気の高い曲で、 上流階級の舞踏会を連想される華麗な円舞曲です。
どうやらショパンがパリへ移住する前に滞在した ウィーンで聴いたワルツが少なからずワルツの作曲に影響しているようです。
この曲がショパンの社交界での地位は決定的となったきっかけとなった曲だと いわれています。
演奏面については、右手の連打技法が結構クセモノで、 鍵盤の重たいピアノでこの箇所を演奏するとうまく演奏できないリスクが 考えられますので、 演奏会で演奏する場合はピアノの鍵盤の重さを事前に下調べしておきましょう。
決して易しい曲ではありませんが、 コンサートでは演奏効果が高く、喜ばれる曲ですので、 是非とも習得して欲しい一曲です。
ワルツ第2番OP.34-1
1番のワルツ同様、社交界での円舞曲向けのワルツです。
ショパンの曲でよくありがちな3部形式で、主題と中間部があり、 最後に主題が出てきてコーダとなって終了するというパターンです。
コーダに突入すると技巧面で派手な箇所が出現するため、 初心者には厳しい面があります。
ワルツの中では難しい部類に入りますので、中級者以上の人が 手を付けるとよいかと思います。
ワルツ第3番OP.34-2
OP.34の3つのワルツの中では、異色の作品です。
とてもメランコリックで、プレリュード第6番 OP.28-6と同様に 左手でメロディーを奏で、右手が伴奏となっています。
121小節目から始まる長調の主題が、137小節では単調の主題になって 登場する箇所がありますが、言葉では表現しつくせないほどの せつなさを感じます。
心の詩人ショパンの天才ぶりを発揮した名作の一つです。
ワルツ第4番OP.34-3
別名猫のワルツと言われている曲です。
高速のテンポで演奏される、活発なワルツで、 くるくる回転するような右手の奏法に着目して、 猫のワルツといわれるようになったそうです。
1985年のショパンコンクール第11回の優勝者のブーニンが この曲を2次戦で演奏した映像が、NHKで放映され、 日本中でブーニンブームが巻き起こり、その様子が上記動画で 閲覧することができます。
オーバーリアクションと思える部分がありますが、 コンクールという戦場で勝ち残るには、 ハッキリ言って目立った方が勝ちなのです。
ブーニンはこの点、非常にコンクール向きの ピアニストであるのかもしれません。
審査員と観衆から怒涛のような拍手が会場に鳴り響きました。
ワルツ第5番OP.42
ショパンの作品には珍しく、トリルでの序奏で始っています。
その後は優美な円舞曲が始ります。
左手は3拍子であるのに対し、右手は2拍子という 組み合わせでの演奏技法が必要になりますが、 左手の伴奏と右手の主旋律を明確に区別して演奏しないと 、初心者は混乱を招くかもしれません。
そしてコーダでは非常に華やなパッセ-ジが続き、幕を閉じます。
、 難易度の面では、ショパンのワルツでは難しい部類に 入ります。
ワルツ第6番OP.64-1【子犬のワルツ】
ショパンのワルツの中でも知名度が高く、人気の高い作品です。
ジョルジュサンドが飼っていた子犬が、自分のしっぽを追いかけている 様子を表現したことがきっかけで子犬のワルツという愛称がついたといわれています。
大変洗練されたサロン風のワルツであり、ショパン初心者は 是非ともチャレンジしていただきたい作品です。
ワルツ第7番OP.64-2
マズルカのリズムとワルツを融合させて作曲された ショパンの力作です。
情緒性、憂い、気品を兼ね揃えていて、多くのショパン愛好家に 演奏されています。
ワルツ第8番OP.64-3
とても優美で快活な円舞曲です。
鮮やかな転調を繰り返して、クライマックスに至る箇所は とても見事です。
演奏効果が高い曲ですので、コンサートで取り上げると 良いでしょう。
ワルツ第9番OP.69-1【告別】
ショパンが生涯のうち唯一結婚を約束した女性がいました。
その人がマリアヴォドジンスカでした。
マリアヴォドジンスカとの恋は実らずに終わり、 別れ際に贈った曲がこのワルツであり、 ショパンの惜別の念が込められた傑作です。
あまりコンサートで派手に演奏する類の曲ではなく むしろ一人で部屋に篭って演奏したい曲です。
ワルツ第10番OP.69-2
ショパンが19歳のときに作曲されたワルツです。
当時ショパンはある女性に恋心を抱いていたのですが、 恋の行方に悩むショパンの魂が曲に反映されており、 冒頭から感傷的な旋律が鳴り響きます。
途中でマズルカ風のパッセージが流れ、再び感傷的な 主題が登場し曲が終了します。
ワルツ第11番OP.70-1
高音域で広範囲で飛び回る右手の華麗なパッセージの主題で 曲が始まります。
中間部は大変美しい旋律で この曲の聴き所とも言えます。
技術面では右手の奏法がやや難かしいという印象ですが 手が届かないわけではありませんので是非ともチャレンジしてみて下さい。
ワルツ第12番OP.70-2
ショパンの円熟期の作品です。
円熟期の作品の割には、あまりにもシンプルで簡素な曲である という印象を受けますが、 おそらくショパンが気軽に作曲した曲であろうと思われます。
ただ、感傷的な描写については流石ショパンといわざるを得ません。
ワルツ第13番OP.70-3
ショパンが学生時代に作曲したワルツです。
ある女学生コンスタンツィアグラドコフスカに恋をし、 その女性を思いつつ作曲されたといわれて 青春時代の淡いショパンの恋心が反映された一曲です。
ワルツ第14番 遺作
全体的に非常にピア二スティックなワルツです。
右手の連打技法やオクターブの奏法など、派手な技巧が要求され、 中級者以上の方にチャレンジしてほしい曲です。
演奏効果は抜群であり、コンサート向きの一曲です。
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まとめ
以上がショパンワルツ全曲解説でした。
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